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2009年12月01日

●「イングロリアス・バスターズ」

NHK「チャイナ・パワー」という番組で中国映画が特集されていた。要するに映画の中心地がハリウッドから北京に移りつつあるというのだが、しかしそれは事実なのか?
映画というメディアが強力なイデオロギー発信装置であることはもはや常識に属すると思うが、現在の中国映画に「カネと物量」以外のメッセージを海外に発信する力があるとは到底信じられない。少なくともインタビューに登場していた中国映画界の中心人物たちにはそうした観点は一切存在しないようだし、むしろある種のイデオロギー的な背景から可能なかぎり逃避している(検閲?)ようにさえ見える。
つまり、中国映画の現在の興隆は持続的な影響力を保持するものではなく、単なるバブルの産物以外の何ものでもないということだ。だとすれば、それが中国国内および彼らの民族的紐帯を超えて(かつてのハリウッドやモスフィルムのような)世界的影響を及ぼすということはないだろう。ボクらがハリウッド映画の「普遍的」イデオロギー(というのは語義矛盾だけど)にあれほど魅惑されたようにはならないはずだ。もっとも国内市場が桁違いに大きすぎるので、このバブルはあと数十年続くのかもしれないけど。

(以下ネタバレあり注意報)

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