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2008年11月27日

●世界はコントである

「飼い犬殺した厚生省」実は筋違いだった…小泉容疑者「えっ」
(11月27日3時5分配信 読売新聞)
 捜査関係者によると、小泉容疑者は22日夜に東京・霞が関の警視庁に出頭した直後から、「自分の犬を殺したのは、保健所であり厚生省。自分は犬の敵(かたき)を討つために生きてきた」などという供述を繰り返している。
 出頭翌日の23日に山口県柳井市の実家に届いた手紙の中でも、「1974年4月に保健所にチロが殺された。その敵を討った」などとつづり、犬の処分の日付や曜日も書き込んでいた。
 こうした小泉容疑者の主張について、取調官が「あなたの言っていることは筋違いではないか」と指摘すると、それまで「官僚は悪い」などと冗舌に話していた小泉容疑者は「えっ」と驚いた様子で、言葉に詰まったという
 実際、ペットの処分を規定する動物愛護法を所管するのは環境省で、保健所を設置しているのは、都道府県や政令市などの地方自治体。厚生労働省(旧厚生省)は狂犬病予防法を所管するだけで、犬や猫の処分は保健所の判断に委ねられている。

何人もの痛ましい被害者が現実に存在する、という事実をもし仮に除いて、純粋に出来事してのみ考察したとしてみよう。
・・・とすると、この「小泉」という犯人の30数年の思い込みによる勘違い殺人事件は、ほとんどまるでギャグマンガのオチではないか。

先日の秋葉原の大量殺傷事件について、「知識人」たちが結局のところ世代論とメタファー(インターネット&おたく→秋葉原)による昔ながらの文学的論評を垂れ流していたのに対して、今度の「小泉」事件にはそうした俗情と結託した知的饒舌を、血も凍るような喜劇性によって一蹴してしまう批判的な強度がある。
端的にいって、これは「イラク戦争は勘違いでした」というのとまったく同じ種類の出来事なのだ。
少なくとも「小泉政権」以来、いまだあの戦争を「テロとの戦い」と位置づけて正式に謝罪しようともしない日本政府に、この犯人を裁く権利はあるのか?
日本が加担したあの「筋違い」な戦争では、この犯人の数万倍もの死者を出しているのだ。
「小泉」を裁く裁判官は、犯人への批難が一字一句正確に日本政府に対しても向けられることを今から自覚しておいたほうがよい。